ぬくもり畑のこだわり | 豆腐工房ぬくもり畑
当店の始まりは農産物の直売所。近所のおばちゃんが毎朝「朝採り野菜を持ってきたばい!」「今日の野菜は出来がよか!」と、にこやかに話すのが日課。そんな契約農家の野菜に負けない商品は作れないかと考え、はじめたのが「手作り寄せ豆腐」。豆腐作りの始まりである。
20代前半の若造が手鍋で作る寄せ豆腐は、その日の気温・湿度を肌で感じ、にがりの量を安定させるのに時間がかかった。しかし、地元の大豆にこだわり安心安全な食材の提供をし続ける事を忘れずに挑み続け、今では「寄せ豆腐」が当店の顔となり躰を気遣う手土産やお見舞いの品に喜ばれる一品となった。
わが子は生まれて4カ月で重度のアトピー性皮膚炎を発症。体の中からきれいにするには…と「食」の勉強を始める。
そして発酵食品が身体に必要であることを知り、豆腐職人であること=日本の伝統食・発酵食品の継承こそ使命。子供からお年寄りまで安心して食べられる「豆腐の味噌漬」に心を動かされる。やるなら、無添加。
味噌の発酵に3カ月。その後、豆腐生地を味噌に漬け込み約1カ月。大豆の旨みとチーズのような滑らかさに仕上げるまでには少なくとも4カ月はかかる。
この前例のない合成添加物を使用しない挑戦。一品が完成するまでに塩分・水分・湿度・温度…多くの課題にぶつかり、「身体を気遣う豆腐の手土産」が誕生した。
合成添加物を使用せずに、昔から受け継がれる床漬け製法を受け継ぎ、豆腐生地を作る段階でその日の気温・湿度を肌で感じ、にがりの量を調節。豆腐生地を味噌に漬け込み約1カ月。生地の水分量を間違えば1カ月もせず腐敗してしまう…。この1カ月を乗り越えた生地だけが豆腐の味噌漬けとなることができ、発酵の力で滑らかなちーずの様な舌触りの豆腐となる。床出しした際に瞬間冷凍する事で、より滑らかなふわっとした口どけをキープする。この作業を
一貫してナチュラルモイストキープ製法とよぶ。
1.豆腐生地作り
豆腐製造機を使わず、手鍋と豆腐枠を使用。気温と湿度を肌で感じ、にがりの量を微調整し豆腐生地を作ります。
2.床漬け作業
重しをして一晩寝かせた豆腐生地を、1つひとつ手の感覚にて更に絞り出し布に手包みします。包んだ豆腐をそっと、優しく手作り味噌に漬け込みます。
3.床出し作業
床漬け作業から約1カ月。味噌床から取り出した豆腐は、合成添加物を使用せずとも発酵の力だけで滑らかなちーずの様な舌触りの豆腐になり、豆腐の味噌漬へと生まれ変わるのです。
自然に逆らわず無添加で安心・安全な商品をお届けする為には、肌で感じられる距離にいることが大前提。その為、大量な生産・作り置きは致しません。
豆腐の味噌漬用の味噌は澄ばーちゃん直伝の手作り味噌。
外注することなく「自家製」にどこまでも拘る昔ながらの製法。
地元産ふくゆたか大豆を使用した「麦味噌」は
3カ月寝かせることで木綿の生地にいい塩梅で馴染み、
自然の発酵の力だけで豆腐の旨味を引き出してくれるのです。
私たちの、合成添加物を使用しない昔ながらの製法は、自然の流れ「気温」「湿度」「空気」に逆らわず、自然の恵みで育った「大豆」をはじめ美味しく育った地域から厳選素材を取り寄せ、匠の絶妙な塩梅でこそだせる味。口に入れた瞬間に、自然な優しい味がお口に広がります。
合成添加物を使用した豆腐の味噌漬は、多くの方に安定した味で安全にお届けする力があります。とても羨ましいとは思いますが、私共の目指すものは、「体に優しく、お子様からお年寄りまでの躰を気遣う手土産・想いの伝わる手土産」です。正直、季節によって多少の舌触りは違いますが、その時期の一番良い状態を見計らい、その時期にしか味わえない食感を是非お楽しみいただきたいと思い今も尚挑み続けております。
代表的な伝統食、味噌・酒・豆腐・醤油・漬物・かまぼこ…とある中で、
「味噌・酒・豆腐」が合わさった豆腐の味噌漬は、究極の伝統食品なのです。
しかし、発祥の地である熊本県以外の地域で食されているところは少なく、私たちの住む福岡県でも、
熊本県産の物がほとんどで福岡県産の豆腐の味噌漬を手にすることは難しいのです。
商品にならない原因の1つである、発酵途中の腐敗…。合成添加物を使用せずに…となると、
豆腐屋・味噌屋・酒屋も豆腐の味噌漬に挑むも、やはり発酵の途中で腐敗したり商品化にならずに終わってしまうのが現実なのです。
私たちも6年の歳月をかけやっとの思いで無添加でお届けできる、身体を気遣う豆腐の手土産として
お客様に喜んで頂ける商品に辿り着くことができました。
豆腐店も年々減っていき、古き良き伝統食品の継承が難しくなくなりつつある現代。今こそ、食文化の急速な
変化に流される事無く、自然のままに昔から受け継がれる「自然の旨み」をお届けすることこそ「軸」。
豆腐工房ぬくもり畑の目指す日本の伝統食・発酵食品の継承であります。